イーサン・ホークといえば、イケメンハリウッド俳優のひとりで
SF、スリラーからラブストーリーまで、これまでに数多くの作品に出演しています。
90年代から現在にいたるまで幅広い活躍をしているイーサン・ホーク。
彼が一躍有名になるきっかけとなった作品のひとつとしてあげられるのが
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 (1995年) 』でしょう。
今回は『ビフォア・サンライズ』からはじまった「ビフォア」シリーズについて
イーサン・ホークの20代から40代への魅力の深まりとともにお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただけるとうれしいです。
イーサン・ホークの映画「ビフォア」シリーズとは?
映画「ビフォア」シリーズは、イーサン・ホークとジュリー・デルピーの主演による
3部作のラブ・ロマンスムービー。監督はリチャード・リンクレイターです。
(画像引用元:https://www.amazon.co.jp)
このシリーズは、1作目の『ビフォア・サンライズ (恋人までの距離) 』(1995年) 、
2作目の『ビフォア・サンセット (2004年) 』、3作目の『ビフォア・ミッドナイト (2013年) 』
から構成されています。
3作ともヨーロッパの美しい街並みを背景に、イーサン・ホーク演じるジェシーと
ジュリー・デルピー演じるセリーヌのふたりの会話に沿ってストーリーが展開。
ジェシーとセリーヌの会話では、人生・恋愛・結婚・仕事・家族・死といった、
いろいろなテーマが語られているので、自分の生き方や考え方につい思いをはせることも。
「ビフォア」シリーズが単なるラブストーリーではなく、観ているうちに
考え方や価値観の多様性に気づかされるのも、この映画の大きな魅力と言えそうです。
また、ストーリーの面白さだけでなく、イーサン・ホークのカッコよさと、
ジュリー・デルピーの儚げな美しさがたっぷり詰まっているのもこの作品の見どころの一つ。
イーサン・ホークについては、こちらでご紹介していますので、あわせてどうぞ。

それでは、まず「ビフォア」シリーズの第1作目『ビフォア・サンライズ』からご紹介します。
イーサン・ホークの映画:ビフォアシリーズ① Before Sunrise
イーサン・ホークの映画「ビフォア」シリーズの第1作目『ビフォア・サンライズ』。
アメリカ人のジェシー (イーサン・ホーク) とフランス人のセリーヌ (ジュリー・デルピー) が、
パリへ向かう長距離列車の中で偶然出会ったことから物語がはじまります。
とりとめのない話をするうちにふたりは意気投合し、
ジェシーの提案により、ウィーンでともに途中下車することになりました。
(画像引用元:https://trapedia.net)
そこで、日が昇るまでの「14時間だけ」という約束で、一緒に過ごすことにしたふたり。
夜通しウィーンの街を歩きながら、行き当たりばったりの寄り道をするうちに
ジェシーとセリーヌはすっかり惹かれあってしまいました。
(画像引用元:https://eiga.com)
「14時間」が終わるとき、ふたりは半年後の再会を約束して別れ、
ジェシーはアメリカ行きの飛行機に乗るため空港へ。
そして話は次作に続きます。
ジェシーとセリーヌが約束通り再会できたのかどうかの答えも、そこで明かされます。
『ビフォア・サンライズ』の出演時、イーサン・ホークは20代半ば。
ジェシーを演じながらみせる、イーサン・ホークの少年のような笑顔やしぐさと
シリアスな話題での大人びた表情とのギャップがとても魅力的です。
『ビフォア・サンライズ』が心に残る映画になっているのは、
イーサン・ホークの演技力によるところがかなり大きいのも確かですね。
続いて、「ビフォア」シリーズ2作目『ビフォア・サンセット』についてお伝えします。
イーサン・ホークの映画:ビフォアシリーズ② Before Sunset
イーサン・ホークの映画「ビフォア」シリーズ1作目の『ビフォア・サンライズ』から9年…。
2作目『ビフォア・サンセット』の舞台はフランス・パリです。
ウィーンでのセリーヌとの思い出を小説に書いて作家となったジェシーは、
パリのある書店で開かれたイベントの場にいました。
(画像引用元:http://paris-rama.com)
そこは、セリーヌのお気に入りの書店のひとつ。(すごい偶然!)
ジェシーが来ることを知っていたセリーヌも書店に行き、ふたりは再会します。
しかし、ジェジーは同じ日の夜にアメリカに帰ることになっていて、
ふたたび「限られた時間」の中で、ふたりの会話に沿ってストーリーが展開していきます。
『ビフォア・サンセット』では、お互い30代に差しかかったジェシーとセリーヌ。
年齢を重ね、いろいろな経験値もくわわって、会話はさらに深い内容へと変化。
でも、9年前のウィーンでの運命的な出会いは、時を経ても色あせておらず、
長年の空白を感じさせないテンポの良い会話も『ビフォア・サンセット』の魅力のひとつです。
(画像引用元:https://eiga.com)
『ビフォア・サンセット』に作家・ジェシーとして登場するイーサン・ホークは
髪も短くなり、顔つきがちょっとシャープになった印象があります。
しかし前作とくらべたときも、何気ないしぐさやことば遣いは、あのジェシーのまま!
9年前のジェシーに、イーサン・ホークがその後の年月を違和感なく重ねて、
新しさと懐かしさが同居したジェシーを、巧みに演じている印象があります。
『ビフォア・サンセット』のエンディングシーンについては、
視聴者の想像力に委ねられるところが大きいので評価が分かれそうですが、
いろんな余韻を残しているのは確かなようです。
続いて「ビフォア」シリーズ3部作の完結編である『ビフォア・ミッドナイト』について
ご紹介します。
イーサン・ホークの映画:ビフォアシリーズ③ Before Midnight
イーサン・ホークの映画「ビフォア」シリーズ最終作となる『ビフォア・ミッドナイト』。
パリでの再会からさらに9年の月日が経ち、舞台は美しいギリシャの港町に移ります。
そして『ビフォア・ミッドナイト』では、ジェシーとセリーヌが
ともに人生を歩んでいることが明らかになります。
(画像引用元:https://eiga.com)
『ビフォア・ミッドナイト』でも、ジェシーとセリーヌはひたすら語り合います。
ただ、これまでと大きく違って「言葉の衝突」がふえているような感じも!
ふたりの間にもめ事がふえ、男と女、妻と夫、父と母としての考え方や価値観の違いが
かなりストレートに表現されています。
好きとか嫌いとか、運命だとか、そんな単純なことだけではうまくいかないのが結婚生活。
あの頃の美しい思い出とふたりが心から繋がりあっていた姿はどこへ?と、
なんともリアルな展開に、胸がぎゅっと苦しくなるような感覚にもなってしまいます。
『ビフォア・ミッドナイト』で、ふたりの関係は大きく変わったようにもみえますが
そんな中でも変わらないものがありました。
この作品では、その答えが導き出されるプロセスが本当に美しく描かれています。
(画像引用元:https://eiga.com)
『ビフォア・ミッドナイト』でのジェシーは「夫」と「父親」の顔が表に出ることが多く
演じるイーサン・ホークも、なんとなく普通の中年男性にみえてしまう瞬間もありました。
しかしそれも、1作目&2作目とジェシーを演じたイーサン・ホークだからこそ、
過去のジェシーの上にいろいろと積み重ねて、計算した上での演技だったのでしょう。
『ビフォア・ミッドナイト』は1作目、2作目とのつながりを意識しつつ
イーサン・ホークの魅力の変化も楽しみたい作品だと言えそうです。
今回はイーサン・ホークの映画の代表作のひとつとも言える
「ビフォア」シリーズの見どころを、イーサン・ホークの魅力とあわせてお伝えしました。
「ビフォア」シリーズは、映画を観たときの心情やこれまで歩んできた人生によって、
さまざまなとらえ方ができるのが最大の魅力ではないかと思えます。
オンラインでのやりとりが当たり前になってきたこのごろですが、
「ビフォア」シリーズを通して、人とのかかわりや会話のたいせつさに
あらためて思いをはせてみるのもよさそうですね。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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